
2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻が始まった。その後国際社会がロシアに対する制裁を相次いで打ち出した。どの国もロシア経済に対して大ダメージを与えることを目的とした制裁を打ち出している。そのため当事国ロシアの為替は大きく動いた。
今回は主に為替について、その時どんな事が起きたかを忘備録としてここに記載します。まとめるまではできておらず、箇条書きのような記事です。本当に興味がある方だけご覧ください。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う為替市場の影響
ロシアルーブルを取り扱っているFX会社の対応→3日後に取引中止となった

ロシアのウクライナ侵攻は2022年2月24日から始まりました。その翌日、【みんなのFX】という国内のFX会社でロシアルーブルの取引できる会社があるのですが、その会社が、ロシアルーブルを保有している場合、みんなのFX側がポジションの強制決済をする可能性があるという注意喚起が流されました。まだ戦況が始まったばかりという段階で、どの程度の規模かもはっきりしていない時だったのですが、どうなるか分からないこそ、このような注意喚起文書が出るのでしょう。この文書は形式的なものと自分はとらえていましたが、最終的には3日後に新規取引中止になりました。以下が2月25日(開戦の翌日に出された注意文書)


2月26日にロシアルーブルの新規取引ができなくなりました。これは国際社会が皆一律にロシアを非難し、金融商品についても制裁をすることが明確になったからです。ロシアの通貨が暴落する可能性がある場合、このような措置がでるということになります。
なおポジションの強制決済はありませんでしたが、ロシアのスプレッドが大幅に開きました。0.5だったスプレッドが、1週間経過した今でも19.9です。(開戦初日は50ぐらいあったと記憶しています)また、スワップは、今までは買いスワップで10円のプラス(10円もらえた)になっていたのが、今は買いスワップでも、マイナス100円です。
ロシアは開戦後に政策金利を20%と上げたので、本来ならスワップは20円以上になるのが理論値ですが、そうならないのが現実です。
スプレッド、スワップ、レートと全てにおいて考えられないぐらい悲惨な状況になりました。また強制決済をされるかもしれないという可能性もあるため、はっきり言うとポジション所有者は大損となってしまったと思います。戦争関連の報道だけは、可能性の範囲でも、その通貨は持たないようにしたほうが良いかもしれません。一応きな臭い動きはニュースになるので、可能性があるという段階でポジションは持たないようにすると決めておいた方が良いかもしれません。
実は自分は戦争前にかなり割安な水準にあるルーブルをずーっと眺めていました。今が最安値の水準だったからです。スワップも10万通貨で1日10円(10万通貨に必要な証拠金は、37500円です)もらえるのなら悪い話ではないと考えてチャートを見ていましたが、とにかく乱高下が激しい。また最安値水準からなかなか上昇しない(頭をたたかれるような値動きをする)という値動きを見て、これはやばいかもと傍観していただけで終わったのは今思えば幸いでした。とにかく危ない橋は渡らない。渡るなら失っても良いお金だけの範囲で!こういう時はそんな感じが良いのかもしれません。

ロシアルーブルのスワップの変化

ロシアルーブルのスワップですが、今までは買いが+10円。売りが-20円。この程度だったと記憶しています。(買いは間違いなくこの値段)
ところが今は買いが-100円。売りが-200円(1日当たり)です。
ロシアは戦争開始後に金利を20%に上げたので、本来なら買いの場合は+20円以上になっていないとおかしいのですが、このようなイレギュラーの場合は、マイナスとなるようです。1日10万通貨保有しているだけで-100円となるのですから、結構きついと思います。

ロシアが金利を上げたタイミング

ロシアが金利を上げたのは、2月28日です。以下がロイターの画像になります。政策金利を9.5%から20%に上げています。

ロシアルーブルのチャート(戦争開始時から数日間)

ロシアルーブルのチャートですが、戦闘を開始した24日に1.395を大きく割り込みました(1.352が終値)。よく25日の終値は1.378。そして土日にスイフトの制裁が決まり、その影響で28日は0.829と大幅に下窓でスタート。金利を上げたものの終値は0.963となりました。
実は1.4台ぐらいになると、ロシア側が介入をしていました(ニュースになっていた)そのレートを下回ると経済への影響が大きいのでしょう。大幅に下がった28日に、ロシア中銀が金利を大幅に上げましたが、それでも戻ることはありませんでした。

最後に言いたいこと

今回の戦争はどうみてもロシアが悪い。そしてそれを目の当たりにした世界、特に西側諸国はロシアを本気でつぶそうと、実際にロシアにとって大ダメージを与えるであろうと思われる制裁を決行しています。スイフト規制が代表的なものですが、それ以外でも基本的にロシア製品は買わない(ロシアにお金が入り、それが戦争資金になるから)という方向で一致団結しています。
ロシアがいかに天然資源を持っていようと、穀物で頼りにしている国があろうと、戦争をするような国とは付き合わないし、滅ぼしてしまおう。これが西側諸国の考えだと感じます。世界では今まで多くの出来事があり、同じように制裁をされた国もありましたが、相手の息の根を止めるまでの制裁はなく、どちらかというと逃げ道を残した制裁しかやってこなかったのですが、今回はそれとは次元が違います。
西側諸国が金融制裁を行った関係で、ロシアルーブルは大幅安。決済すらできない可能性があることから、仮想通貨が上がるのでは(ロシア人が仮想通貨を使い決済することが想定されるため)と1部噂になったのですが、アメリカ側が、仮想通貨も使えないようにする措置を検討しているという話です。
やるときは徹底的にやる!これが今回の方針のようです。有事は買い!これはFX業界では定番であったセリフですが、今回ばかしはそういう事は絶対にしてはいけない。そんな事を感じさせられた出来事でした。
