先週のFXですが、結局は要人発言(トランプ氏など)で動いただけの相場になりました。
今の相場は、ファンダやチャートで動くのではなく、誰が何をいうのかにより反応する事が多くなっています。
特に相場をかき乱しているのがトランプ氏。後で書きますが、言っていることも大きいので、やはり動いてしまいます。
それ以外だと、ポンドのブレグジット問題。先週はブレグジットがうまくいくのではというニュースで上がり、翌日それを否定するニュースが流れた為下がりました。
後、こんな状況だからか、オプション取引が激減しているようです。オプション取引とは、100億ドルといった単位で、設定する金融商品です。金融機関が販売しています。ドル円に当てはめてみると、3ヵ月後にこの値段で売買する権利(オプション)となり、大口がリスクを軽減するために、オプションを購入するのですが、最近はこのオプションがほとんど無い状態だということです。大口も含め、皆中間選挙までどんな値動きになるのか予想がつかないので、相場に参加していないものと個人的には考えています。
また自分もそんな一員なので、来週も基本的には様子見です。
来週の重要な点
その1
来週の為替相場で一番重要な点は、やはりトランプ氏が中国に対して追加関税を課すかという点です。
第一弾で340億、第二弾で160億ドルの関税を既に発動しています。
今回は第三弾となる、2000億ドルの追加関税をかける準備ができており、トランプ氏がGOサインを出せば、今すぐにでも追加関税がかけられるということになっています。
まだGOサインが出ていないので、今週そのサインが出るかどうかが一番の注目点となります。
実際にGOサインが出るか??
その点について、トランプ氏は中国が、こちら側の条件を飲んで譲歩すれば追加関税をしないと言っていますが、それに対し、中国側は断固とした姿勢で対応するとしており、譲歩するという姿勢は一切見受けられません。
それ故に為替市場は発動してもおかしくない状況だと考える参加者が多いらしく、その影響で豪ドルが大きく売られています。
ただ、実際に2000億ドルもの追加関税が発動した場合、アメリカが中国から輸入している商品に対し、関税がかかることにより値上がりすることになります。
中国産のものというと、甘栗とか、落花生とかが思いつくのですが、こういった商品は軒並み、アメリカ国内では値上げとなります。
勿論、このような商品は他国の関税がない国から輸入すれば、価格を抑える事ができますが、他国から商品を仕入れる場合も、手間と時間がかかってしまうでしょう。それは企業にとってはコストとなります。またこういう商品以外の、代替品が無い商品。例えば自動車の部品とか、パソコン内部の部品とか、中国でしか作られていないもの、他国が作るには色んな面で難しいものも中にはあるかと思います。そういう製品は完全に値上げとなり、アメリカ国民がコストを負担することになります。
そういったものを含むと、アメリカの企業はどう考えても影響があるし、それは大きなマイナスの影響が出ると思います。
となると心配なのがアメリカの株式なんですが、ここ最近は全く反応していないようです。
ただ、実際に発動した場合はどうなるのか?今回の額は大きい(一度で2千億となるか、段階的になるか、今は不明なのでなんともいえませんが)為、アメリカ株式への影響は出るだろうと個人的には思います。アメリカ株は長期間上昇を続けているだけに、これをきっかけに大きな動きにならないかが少し心配です。
そういう意味でも、積極的な取引は控えたいと考えています。
その2
トルコ中銀政策金利発表(13日20時)
今回のトルコは利上げをするだろうというのが有力説です。
よって利上げをすれば良いけど、怖いのはしなかった場合。
トルコショックの時は、トランプ氏が傷口に塩を塗るような発言をして、さらにトルコが下落したので、今回も同様の事態が起きないことを祈っています。
もし下落の場合は、ユーロが売られるかと思います。
また偶然にも同日イギリスのMPCとECB理事会があります。こちらも中ぐらいに重要です。それ以外の指標もありますので、各自ご確認願います。
各通貨の見解
ドル円
最大の懸念材料は上記です。金曜日の指標は良かったものの、やはり2000億の貿易関税発動の可能性がある為、上値は重い印象を受けました(ここの所週末は、週末リスクがあるので、上は重いですね)
今週も注目はこの点です。
以外では、トランプ陣営切り崩しの為か、先週はトランプ氏の暴露本がニュースとなりました。トランプ氏は理解力が非常に低く、小学校5年生レベルであると、会議を終えた同僚の高官が言ったとか、言わないとか?
それ以外でトランプ氏側の高官が、禁固14日の実刑判決を受けています。
今週もこういった流れは出てくるだろうと予測されます。今の所小さい事案しかないので、それほど大きな動きにはなっていませんが、大きめのものが出た場合は、相場にも影響する可能性があります。あるとすれば下リスクだと思います。
但し、トランプが貿易関税を発動しないという可能性だって未だあるので、決めうちは控えたほうがいいと思います。
豪ドル
金曜日の16時ぐらいだったか、79円程度に設定されていたと思われるノックアウトオプションをつけました。ノックアウトオプションとは、金融機関が発行するオプションなのですが、この値段には絶対に届かないだろうと思われるオプションです。(オプションの影響で一時的に大きく動きました)
そういう意味からも、多くの参加者が、ここまで下がるとは思っていなかった価格だと思います。
先週はGDPが強く、一時的に買われましたが、翌日オーストラリアの銀行が住宅ローンの金利を上げたので、豪ドルは再度売られました(住宅の金利が上がると、住宅が売れなくなり、それにより消費が低迷し、最終的には利上げが遠のくと言われているので)金曜日に売られたのは、トランプが6日以降に、中国に対する追加2千億の関税を発動するかもしれないという問題が解決していなかった為、週末に発言があるだろうという事で売られたのかもしれません。
とにかくここ最近は弱いですね。特に週末が弱い。
来週も日中貿易問題が解決するまでは売られやすい通貨となりそうだと考えています。貿易問題が解決しない場合は、週前半で売れるときに売ってしまい、後半は金曜日の下がったところで買ってみるなどが良いかと思います(買いで入る方の場合。さすがにここまで下がっていると、売りで入った場合、巻き戻しが怖いので売りは個人的にはおすすめしません)
ポンド円
ポンドに関しては、ブレグジットに関するニュースが大きく影響しています。
もはやサイコロを転がして出目を当てるのと同じ。ニュースによって上下する。完全にギャンブルみたいなものと考えています。
今週はMPCなどがありますので、そこで一時的な反応は出るかもしれませんが、最終的に動くのはブレグジット要因だと思われるので、積極的に手を出したくはありません。
ユーロドル
先週は上を試しに行って、上にいる時間が長く、底堅そうに見えましたが、最終的には下がって終わりました。
上に言った理由は、イタリアの財政が若干良くなったと報道されたことが一因となっていましたが、良いといっても、非常に良い訳ではなく、ぎりぎりのラインにいるといった程度です。
未だ政治不安も多く、トルコ要因もあり、またトランプが先々週にユーロについて貿易で名指しで批判したこともある関係で、次のトランプの火種はユーロに向かうかもしれません。そういった意味で、積極的に買いたいとは思えない通貨になりつつあります
まとめ
来週ですが、上記のようだと考えているので、個人的には様子見をしたいと思っています。
それと注目すべき点は、トランプの中国に対する関税問題。
今週、追加で2千億の関税が発動される可能性があります。またトランプは次に2570億ドル?だったか?(これで中国から輸入される総額に関税がかけられることになる)の分も関税をかける準備が出来ていると発言しました。
これに対しては、アメリカのアップル(iphone)社が、そんなことをされると自社製品は大ダメージを受けると、アメリカの機関に直訴しましたが、どうなることやら。
アメリカが中国に関税を課せば、それは諸刃の刃となって、アメリカも被害をこうむるはずです。今のアメリカは景気が良いのでその分を吸収できると考える人もいますが、既に農業分野は悲鳴を上げている状態だというニュースも多々流れています。
どうなるかは分かりませんが、景気に大きな悪影響を与えると判断されれば、円高になり、今と比較してさほど変化がないと判断されれば、変わらずとなるでしょう(もう既にかなり下がっている状態ではあるので)もしくは織り込み済みで上がる可能性だってあります。
その点ははっきりとしないので、来週はアメリカと中国の関税問題を注視し、それに対し為替がどの程度反応するのかを見極めていきたいと思っています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。