先週の為替概況(対円)
先週の為替ですが、アメリカ株暴落の流れを受け継いでいたこと、また月曜日は、アメリカが日本との間に為替条項を盛り込むとういニュースが材料視され、前週の終わり値112.1付近から始まり、111.7付近で終えました。
アメリカ株暴落の関係で大きく下げるかと思われましたが、為替条項については、日本の麻生大臣他もう1名の大臣が、今すぐという問題では無い。今後アメリカと協議で決めることだという火消し発言により、火曜日水曜日と上昇。木曜日に再度アメリカ株が崩れた為下がりましたが、金曜日にはその分を戻す上げとなっており、週でみると、112.182→112.558と、約36pipほどの上げで終えています。
またこの動きは、AUD、NZDにも連動。USD、AUD、NZDはほぼ同じような値動きで、先週末よりも高い価格で引けています。
逆にほぼ同じレートで終えたのがEURとGBP。
両方とも政治的な要因で売られましたが、最終的には前週終わり値とほぼ同じ値で引けています。
主要5通貨のみの比較ですが、対円に関しては、下げが大きかった分、総じて底堅い値動きとなったように思えます。
来週の相場予想
アメリカ株の下落ですが、まだ神経質な値動きとなっています。
原因ですが、11月の大統領選で大きく動く可能性もある関係で、機関投資家などが一度利食いをしているという噂もあります。
仮にそうであったとしても、先週は比較的底堅い動きとなったので、来週は先ずこの株が戻るかを見ていきたいと思っています。
また金曜日に関しては、株は横ばいだったものの、為替は上に動いています。
大統領選が近づくにつれ、基本的には円安になると思われますが、来週は控えめにレンジの動きとなるのかと考えています。
次に通貨別の見解を紹介します
ドル円
大統領選が近づいている事から、株も為替も落ち着きを取り戻し、若干上を目指すのではないかと考えていますが、来週その動きとなるかは、アメリカ株がはっきりとしない為不明。
再度混迷となる可能性もあることから、基本はレンジ若しくはやや上と見ています。
111円台なら買って見たい通貨です。後は値動きを見ながら判断します。
ユーロドル
金曜日にムーデーズからイタリアの信用格付けを、格下げ(Baa3)したというニュースが流れました(詳細は下記)
早朝の時間帯のニュースで、FXは営業中であったにも関わらず、相場は反応しませんでしたが、実はこの格下げは、個人的にはかなりヤバイと考えています。理由は、もう1段階下がると、投資不適格と判断される為です。投資不適格と判断されると、金融機関の規定によっては売らなければならないとされている所もあり、もう1段下がった場合は、一斉にイタリア売り(=ユーロ売り)が発生するかもしれないからです。
今下げたばかりなので、とりあえずは大丈夫かと思いますが、今後が心配になります。
それとS&Pという格付け会社が、26日にイタリアの格付け見直しについて発表する予定です。おそらく上記と同様の格付けとなると思われますが、念の為、注意しておいた方が良いかと思います。
ユーロに関しては、イタリア問題(結局解決には至っていない)、今後の欧米貿易問題、中東地政学リスクの高まりなどがあり、ちょっと上がりにくいなーという印象があります。
積極的に買いたい通貨ではありませんが、ここまで下げていること。1.142は割りと固そうに見える事から、大きく下げた後の反発が少しは入る可能性の方が高いかと考えています(個人的には買いません。また月曜日1日は、格下げ関連があるので、下方向へ警戒しながら様子を見たいと思っています)
とりあえず値動きだけチェックしていきたいと思います。
【格下げのニュース抜粋】
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、イタリアの信用格付けを従来の「Baa2」から1段階引き下げ、投資適格級で最も低い「Baa3」にしたと発表しました。財政力への懸念と構造改革の行き詰まりを理由に挙げている。格付け見通しは「安定的」。
ムーディーズは発表資料で、格付け引き下げの第一の要因は「最近発表された財政戦略が大きくシフトし、今後3年間、財政赤字が当初の想定に比べてかなり高くなる見通し」であることだと指摘。「政府の経済計画は短期的には成長を支えるが、さえないイタリアの成長パフォーマンスを持続可能なベースで改善する首尾一貫した改革計画とはならない」と説明した。