ここ最近は埼玉県の和光市や、東京の五反田のパチンコ店に行くことが多い。そしてこの2地域の地域性に興味を持ち、パチンコ店の歴史を紐解いてみたところ、昔は大きなパチンコ店が何店があったが、今はそれらが撤退し、残っている小規模店になったことが分かった。
数年前までは遊技台千台を超えるお店があったにも関わらず、今は数百台の遊技機がある店がポツポツとあるだけ。しかも客はほとんどいない。今までのパチンコ店は何であんなに客が居たのか?また今は何で激減したのか?何故かこの事が頭に浮かぶので書いてみる。
埼玉県和光市のパチンコ衰退事例
埼玉県和光市は東武東上線、東京メトロ有楽町線、東京メトロ副都心線の三つの鉄道路線が乗り入れている場所だ。東京都に隣接し、東京の池袋駅から電車で13分と近い。駅前もアトレの他、大手スーパーが3件もあることから、人口も多いことが想像できる。
そんな和光市のパチンコ事情だが、2022年1月10日にメガガイア和光店が閉店した。遊技機設置台数1037台(パチンコ528台、パチスロ509台)の大型店だ。そして当時から営業を続けていた『ミリオン和光15号店』(パチンコ専門店、325台)と『ミリオン和光10号店』(パチスロ専門店、178台)が残っているような状況だ。
和光市駅駅前では、2022年1月9日までは遊技機が1540台あったが、2022年1月11日以降は、パチンコ店の閉店により遊技機が503台と、実に66%の遊技機が消滅したことになる。
またつい最近の状況だが、未だ営業を続けている上記のミリオンの2店舗だが、どちらも客付きはほとんど無いような状態だ。平均しても3割程度というところだろう。和光市駅前すぐの場所で営業しながらもこの客付きしかないことを考えると、今までいたお客さんは今何をしているのか?またこの先この店はどうなってしまうのかという点が頭に浮かんでしまう。
また同様の事例で、東京五反田駅周辺のパチンコ事情を紹介する。
東京都五反田駅周辺のパチンコ店衰退事情
東京の五反田駅周辺というと、怪しい風俗店やいっぱい飲み屋などが集まる東京でもちょっとディープな街という印象が強い。
そんな場所だが、やはり東京駅に近く都心というだけあり、オフィスビルが乱立する街でもある。そんなちょっと特徴的な印象がある街だが、ここでもパチンコ店が多く閉店した。
まず『ガイア五反田スロット館』が2022年2月13日を以って閉店している。
同店はJR山手線「五反田駅」からすぐの場所に店舗を構えている駅前立地型ホールで、総設置台数370台のパチスロ専門店であった。
次に『コトブキプラス五反田店』が2023年5月21日(日)の営業を以って閉店した。
同店は「JR五反田駅」からすぐの場所に店舗を構えており、パチンコ機142台・パチスロ機219台(合計361台)の中規模ホールであった。
ガイアは業界3位か4位の大手。寿グループも中堅のパチンコチェーン店だ。どちらも体力はありそうに見えるが、やはり客付きから撤退を決めたんだろうと思う。
今現在営業しているパチンコ店は、駅南側のじゃらん五反田店(パチンコ456台、スロット367台)と、駅北側のピートレックマーメード(パチンコ186台、スロット200台)のみとなってしまっている。
今から1年ほど前までは五反田駅周辺で1940台の遊技機があったが、今は1209台となっている。割合としては38%の減少だ。
しかもこんなに台数が減っているにもかかわらず、今残っているお店の客付きは悪い。平常だと4割程度。イベントでも6割程度しかいない。とにかく人気がある台とそうでない台との差が激しい。和光も五反田も、この周辺のどの店も、誰もいない島みたいなのができてしまっている状況だ。店側の立場からしたらこれが良くないんだと思うが、今の遊技機は規制によりものすごくつまらなくなっている。なので、この点はしょうがないのかもしれない。
パチンコ店に打開策はあるのか?
ではパチンコ店に打開策はあるのか?という疑問が生じるが、これは多分だが、現行の規制が適用された遊技台が中心になるのなら、もう打開策はない。今後もどんどんと閉店する店が増えるのではないかと思う。
その理由はとにかく遊技機が規制により超つまらなくなったからだ。つまらない=勝てない。つまらない=勝てなそうに感じてしまうということを意味する。パチンコを打つ客は至極単純で、目的は勝つことだ。勝てれば何でも良いと思っているのだが、その部分において、今の現行機だと、勝てないと感じることが多い。また実際に負けるパターンが今までと比較しても著しく高いので、日に日に魅力を感じない客が増え、日に日に客が減っているような状況なんだと思う。
今後のパチンコ店の予想
この先のパチンコ店だが、ユーザーが面白い、金を使っても良いと感じるような台が出るのなら、再度繁栄する可能性があるが、今のままの規制がそのまま引き継がれ、つまらない台、勝てない台ばかりで変化がないとしたら、今後のパチンコ店はさらなる衰退の一歩をたどっていくと思う。
最近のパチンコやパチスロは投資はかさむが、リターンは少ない。今まではそんな事を感じなかったが、何回か打てばみなこれが身に染みてしまうだろう。そんな状況だから皆パチンコを止める。バカバカしいと思うからだ。そして止めた人はそれで改心しているのかというと決してそうではない。おそらくだけど、競艇とか、競輪とかに流れているんだと思う。実際に公営ギャンブルの投資額が上がっているというデーターが出ているので、その点はそういう流れになっているのであろう。
上記をまとめると、今までのパチンコ店というのはユーザーが面白いと感じるような遊技機が多数あった。だから沢山の店が営業できた。でも今はつまらない台しかない。それゆえ客離れが起き、店がどんどんと潰れているのだが、パチンコ店側は面白い遊技機を作る権限がない。遊技機は行政の規制により時代に合わせて変わるものだ。
なので、今後の繁栄も衰退も、全ては行政の規制次第。だが数年前にパチンコ店の駐車場で置き去りにされた児童に問題があったことや、パチンコ依存症により変な事件が起きたこともあり、行政はまだ規制を緩めるようなことはしないのではないかと思う。パチンコ税などを導入し、税金をがっぽりと取れるということなら緩和して面白い台が出てくる可能性もあると思うが、そうでなければ当分無理だろう。そしてこの当分の間に店がどんどんと閉店していくのではないかと思う。
パチンコ依存症に近い自分が思ったことを書いてみた。1ファンとしてパチンコ店の閉店は望んでいないが、今の客付きや台の性能などを見る限り、勝てると思ってパチンコを打つ人は年々減っていると思うのが現状。また行政もすぐには変わらないと思うことから、日に日に冬の時代が到来するか、若しくは気合の入った還元重視のパチンコ店が誕生し、生き残りをかけユーザーが勝ちやすい店がでるのではないか?何てことを勝手に想像している。